晒しなにっき

推しや作品への愛と考察を綴るにっき

推しが死んだ日~アイン・ダルトン三回忌記念キャラ語り~

本日3/27
私にとって特別な日になります。

何の日か、それは
最愛の推しキャラ、アイン・ダルトンくんの3回目の命日です。


アイン・ダルトンとは機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズに登場するキャラクターです。
そしていまだに幻影を追い続けるほど、私の生涯で最推しのキャラクターでもあります。
もうすごい好きです。大好きです。
最初に伝えておきますがだいぶこじらせています。
本日は彼の三周忌ということで、粛々と弔いつつ、彼の魅力について語りたいと思います。泣きながら。

アイン・ダルトンというキャラクターについては、以下の動画を見ていただけると一番わかりやすいかと思います。


アインの生きざまはずばり、「誇りを守るために戦う」です。
火星の血が混ざる自分にも平等に接し、誇りを与えてくれたクランク二尉
自分にもう一度戦う足をくれたガエリオ
アインは自分に誇りを与えてくれた上官のことを一番の誇りとし、慕っています。
彼はアニメを通して一貫してこの”誇り”を守るために行動しているのです。
それを踏みにじられたり、バカにされれば怒り、全力で戦います。
彼にとって敬愛する上官を侮辱されることは、自分の誇りを侮辱されたことと同義なのです。

アインを語るうえで外せない上官が二人います。
火星支部でのアインの上官であるクランク・ゼントと、セブンスターズの一員であるガエリオ・ボードウィン特務三佐です。

クランク二尉はアインに誇りを与えました。
ギャラルホルンという組織では地球人でなければ人間でないとさえ言われており、火星の血が混じるアインは差別を受けていました。
クランク二尉はそんなアインにも平等に接し、「誇りを持て」と言ってくれた優しい上官でした。
その優しさゆえに恵まれない子どもの集まりである鉄華団を手にかけることができず殺されてしまうのですが…
アインは無慈悲にもクランク二尉を殺した鉄華団に対して憎しみを抱き、復讐を誓います。

その時出会ったのがガエリオです。
現状のままでは鉄華団を討てないと判断したアインは同じ目的を持つマクギリス、ガエリオの部隊に加えてもらうよう自ら志願します。
お互いに最初は「敵が討てれば誰の下でもいい」「つまらん男」などと思っていましたが、行動を共にするうちに信頼関係が生まれてきます。
アインはガエリオを清廉で信頼できる上官として慕うようになり、ガエリオもアインを純粋に上官を思うまっすぐな奴として信頼を寄せるようになります。
そしてその信頼関係は、鉄華団との闘いでアインがガエリオをかばってケガを負ったことでより深いものとなります。

上の動画のパート1のガエリオの「アイン」とパート2での「アイン」では声音が全く違うことからも、いかに二人の間で信頼関係が築かれているかがわかります。
その後、二度目の鉄華団との戦いにて三日月(主人公)の投げた槍からガエリオをかばい、下半身をつぶされながらも言ったセリフがこちら

「あなたは誇りを失った俺にもう一度立ち上がる足をくれた。あなたを見殺しには…」

こちらのシーンですね、辛いシーンなんですが、すごくいいシーンでもあって
それまでアインはクランク二尉の敵を討つためだけに戦っていました。
それはガエリオも知っていましたし、むしろまっすぐにクランク二尉を思うアインに好感さえ抱いて力になりたいと思っていました。
そのアインが、クランク二尉の敵よりもガエリオを守ることを優先したのです。
ガエリオもまたアインが自らの誇りとする上官になったということが如実に表れているシーンなのです。
アインの優先順位はいつだって「誇りを守ること」にあります。
さらに言うと、アインは「誇りを失うこと」に対して人並み以上に敏感です。
クランク二尉を失ったことも影響していますが、この時アインはまた信頼できる上官であるガエリオを失ってしまうかもしれないということを恐れたのではないでしょうか。
ガエリオをかばう前、ガエリオのピンチのアラートが鳴った際にアインは「特務三佐!」と目の前の敵から意識を離すのですが、その時すごく不安そうな表情をしています。
ここでいつも胸がギュッとなるんですが、このシーンの表情と声にいろいろなものが全部詰まってると思うんです。
再度できた信頼に値する上官をまた失うことへの恐怖、不安、焦燥、いろんな感情が一瞬にしてあふれ憎しみよりも上回った結果、ほとんど本能で飛び出したのではないでしょうか。
ここのアインの表情、まるで迷子の子供のように不安そうで、必死でつなぎとめようとしているのが、もう、健気で、まっすぐで・・・

そりゃあこんなまっすぐに自分を慕ってくれる部下持ったら全力で力になりたいと思いますわな!!!!!!!!(やけくそ)

ここからはほんと、あれよあれよという展開なのですが!!!
下半身をつぶされ、生命維持装置でなんとか一命をとりとめている状態のアインを見て嘆くガエリオにマクギリスの悪魔のささやきが!!!!
なんやかんやあり、アインに阿頼耶識手術を施しモビルスーツと一体化させることでまた戦えるようにするその名も!!!!!

グレイズ・アインになりました!!!!!!!(やけくそ)(二回目)

はいこちら私が泣きながら組み立てた機体ですね!!!!
トラウマです!!!!!

モビルスーツと一体化することで再び戦えるようになったアイン。
ガエリオにこう伝えます

「心から尊敬できる方に人生で二人も出会えるなんて、これ以上の幸せはありません」

あああああああああ!!!!!!
グレイズアインになってからのアインの声は以前よりも感情豊かなように聞こえるのですが、いざ映し出された機体の中の姿は表情も口も全く動いてません。
目は開いてますが光は映しておらず、四肢はなくなり背中には太い阿頼耶識の管がついています。
このカットを入れることによって完全にグレイズ・アインとしてモビルスーツと一体化しているのだと視聴者に示しているのだと思っています。

アインは暴走し、市街地まで降り立ってクーデリアを討とうとします。
そこで三日月に返り討ちにされ、その一生を終えます。

「クランク二尉、ボードウィン特務三佐、私は私の正しい…」

最期の言葉はすべて言い切れないうちに討たれていしまうのですが、この時アインは何を言おうとしたのでしょうか。
「正しい道を進む」?「正しい行いをする」?
アインの言う「正しい」とは何なのか、それはおそらく誇りである上官からの教えでしょう。
クランク二尉から「誰に対しても平等に接するべき」「無慈悲に奪われていい命などない」といった教えを受けたアインはそれを「正しい」としているため、結果的に無慈悲にクランク二尉の命を奪った鉄華団は”悪”となります。
鉄華団を討つことに同意し阿頼耶識手術を施してくれたガエリオも「正しい」とすれば、”悪”を討つことはアインにとって「正しい」ことになるでしょう。

物語としては主人公陣営である鉄華団に相対する敵組織として、まあラスボスとして配置されるのですが、アインの行いは常に自分の正しいと信じるものに従っています。
ただ完全に「正しい」かといえば、見方によってはそうではないのです。
鉄血のオルフェンズは物語を通してそんな感じの話なのですが、アインは結果的に世界から”悪”とみなされ(まあ市街地襲っちゃってるのでしょうがないっちゃしょうがないんですが)死後ギャラルホルンの「汚点」とされてしまいます。

この愚直なまでの純粋さ、忠誠心。
それがアインの魅力なのです。
敵と対するときは険しくなる表情も、信頼できる上官といる時は時折あどけなさの残る一青年兵の表情になったりします。
そこがかわいい

このラジオCDのジャケット書下ろしなんですけどね?かわいくないですか???
かわいい!!!!!!
あどけない!!!!!!かわいい!!!!!!
もーーーーほんっと、たまに見せるんですよこういう顔・・・
ガエリオにカルタとの関係聞いた時のきょとん顔とかほんともーーーーーーーーかわいい!!!!!

こういう表情を見てると、アインももとはそんな復讐とか憎しみとかに身を焼かれる子じゃなかったんですよね。
1話のシーンとか、初陣を言い渡された時の返事「あっはい!」ですから。
ただの純粋な一青年兵だったんですよ。
運命の歯車によってラスボスにまでなってしまったんですけど。

もしクランク二尉が三日月に殺されなかったら、もしアインが復讐心を持たなかったら、色々と考えました。
考えた結果、当たり前ですけどオルフェンズ成立しないなって思いました。
だってガエリオの成長にはアインが不可欠なんですから。
ガエリオはアインと出会わなけれはいつまでも火星を見下して、阿頼耶識を軽蔑して、高慢で差別的な人間のままだったでしょう。
出会い、アインを受け入れたからこそ、ガエリオは人間として成長できたのだと思います。

アイン・ダルトンという人間は自分の”誇り”のために戦った、それだけなんです。
結果がどうであれ、その真実を我々は知っています。
彼の純粋さ、清らかさを知っています。
だから私はアインが好きなのです。
もちろん鉄華団のみんなも好きです。
オルフェンズはすべての登場人物が自分の信じるもののために戦っています。
ゆえに衝突を繰り返します。争いは避けられないのです。
ある視点での”正義”がある視点では”悪”になるシーンがたくさんあります。
ガンダムシリーズはすべてそんなかんじなのですが、オルフェンズはより考えさせてくれる作品だと思います。

今日はアインが、グレイズアインが活動を停止した回が放送された日、いわば命日になります。
三回目の命日を迎えても私はいまだにアインを思い出して泣きます。
もっといい終わりはなかったのか、何か他に方法はなかったのか。
ずっと考えています。
たかがアニメにここまで真剣に悩むことはオルフェンズ以外ではなかったです。
それほど素晴らしい作品に出会えたのだと私は思っています。


では、ここからはちょっと複雑な話になるのですが、
そもそもアインの命日って今日でいいのか???

私はグレイズアインが討たれた日=アインの命日と定義していますが、ここアインに関して言うとすごく微妙なところなのです。
アインの遍歴を簡単にまとめると、

アイン・ダルトン期(1期18話まで)
グレイズ・アイン期(1期19~25話)
阿頼耶識TypeE期(2期)

に分けられます。
え?阿頼耶識TypeE期とは、ですか?

阿頼耶識TypeEとは二期に出てくるガエリオヴィダール)のモビルスーツの中に搭載されている阿頼耶識のシステムで、アインの脳を媒介にしてるんですね!
阿頼耶識システムというのは通常手術をともない、人の神経とモビルスーツを直接繋げることでよりモビルスーツの操作を感覚的に行えるようにする、要は説明書が読めなくても感覚で機体を動かせるようにするすぐれもののシステムになります!
ただ手術の成功率が低く(30%とか)、神経と機体を直でつなぐので脳への負担も大きいというリスクもあるので基本的に禁止されているのですが、火星とかでは子供たちが職を得るためガンガン手術を受けてます。
使いすぎる=脳の消耗や神経への負担につながるので、現にリミッター越えを繰り返しすぎた主人公の三日月は片目を失明し下半身不随までになってます。
じゃあその直接つなぐ神経にアインの脳を媒介させたらリスクも減ってOKじゃんというすぐれものがこの阿頼耶識TypeEになります!

OKなわけあるかい!!!!!!!!!

考えたことありますか?
あなたの推しが、モビルスーツと一体化して、しまいには脳みそだけになるんですよ??

受け止められるかよ!!!!!!!

二期のOPでですね、ガンダムヴィダールがちらっと映るんですよ。
あれ?ちょっとグレイズアインっぽいな?
って当初思ったんですよ。
謎の仮面はいったい誰リオ某ドウィンなんだって感じだったんですけど。
ヴィダールの初陣回での戦闘BGMがグレイズアインのと一緒だったんですよ。
仮面がなんかめっちゃ機体に向かって語りかけるのですよ。
いるのかと?
いる?いるの??アイン????

いました。脳みそだけになって。
ハロになったのかなとかあまっちょろい考えでした。

あの時の感情を言い表すのがすごく難しいのですが、まず、衝撃。
推しが脳みそだけになるという生まれて初めての事態に対するショック。
そして悲しみ苦しみ。
体はもう無く脳みそだけになってしまったという悲しみ。辛い。
次に喜び。
ガエリオがアインをまだ人間だと思っていることに対する喜び。
そして貴び。
ガエリオとアインが繋がり(ガエリオの体をアインの脳にあけわたしている状態)推しCPが事実上一つになったという尊さ。

とりあえず泣き呻きました。
どう受け止めたらいいのかまったくわからなかったです。
No.6の沙布はまだ意識として紫苑の前に現れたんでよかった(よくない)ですが、アインは何も話しません。
ハロになることもなければコンピューターを通じてガエリオに語りかけることもない。ただのシステムです。
ただ、ガエリオの呼びかけに答えるように出力を上げたり、赤い光を強くしたりなどはあります。

生きているのか?脳だけになっても?

最終回でTypeEがどうなったのかは描かれなかったですが、のちにラジオに出演した監督は「マクギリスとの決戦で焼き切れた」と仰っています。
焼ききれた=完全な死とするのか?
そもそも死とは?
人間ではない=死であるならばグレイズ・アインになる前にアインは死んでいることになるのではないか?

ここらへんは脳死は人の死か?的な命題になってくるのでほんと難しんですが・・・
少なくともガエリオは①~③まで終始一貫してアインを”人”としていました。
たとえ脳みそだけになっても、「人間だ」とアインの存在を認めていました。
ですから、ガエリオにとってアインの死はTypeEが焼き切れた時になるのでしょう。

一番単純なのは私も定義した②です。
単純に肉体の死を迎えたのが②であるからです。
ただ、そこに本当にアインの意識があったかは疑問が残ります。
グレイズ・アインはアインか?という点です。

①と定義する人はこの点で「グレイズ・アインはアインではない」と定義する人になるかと思います。
上にも少し書きましたが、グレイズ・アインは機体と一体化したアインになります。
よくしゃべります。
ただ、アインの肉体は四肢はおろか視線や唇さえも一切動かないのです。
完全に意識だけで会話をしている状態になります。
では、その意識は本当にアイン本人のものなのでしょうか?
アインの意識はすでになく、その脳の構造などをもとに構築されたプログラムであったとしたら?
多少の違和感がある誇張された口調、暴走、すべてアインの意思ではなく、プログラムによって起こされたのだとしたら?
ちなみに①のアインの瞳は深い青ですが、②のグレイズアインの目、③のTypeEの表示は赤になります。
”人間”としてのアインと”機械”としてのアインの境目とも言えるのではないでしょうか。

私の見解としては定義づけている通り②だと思います。
①は阿頼耶識が神経とつながっている以上、システム上で多少齟齬はあれどそこにはアインの意思が介在していると考えます。
ほんとうは③と言いたいですが、意識もない、自分の意思を伝達する術のない脳みそだけになったアインを「生きている」とまではまだ受け入れられないので。
どれにせよ、アインは最後の最後まで、脳みそだけになってもなお、誇りのために戦えたのではないでしょうか。

テレビアニメの放送はもう2年前に終わったはずなのにいまだに面影を追い続けているアイン・ダルトンくんの魅力について、まだまだ語りつくせないですが、ここでいったん締めさせていただきます。
アインが死ぬ→生きているアインが見たくなる→アインが死ぬを延々と繰り返して早幾年。
この先もこのループから抜け出すことはないのでしょう。
一時期流行った〇〇メーカーみたいな、顔のパーツを組み合わせて自分好みのキャラを作ろうみたいなやつ、あれ全部気づいたらアインになってました。
もっといっぱい書きたいことがあるんです。
最初は1話で死ぬはずだったのにラスボスまで上りつめたこととか、ラジオCDのギャラルホルン放送局でアインの中の人が「TypeEに声がついたら」というお題を全力でやってくれたこととか、ドラマCDでのガエリオとのやりとりが涙出るほど尊かったこととか、公式スピンオフ作品三丁目のオルフェんちゅでアインはモルモットなんですがその姿がたいそう愛らしいこととか・・・
アインのセリフ全部書き出して一つずつ分析したりもしたいんですが、それもまた機会があれば。
3年経ってもいろんな意味で私の心をつかんで離さないキャラなんてアインくらいなので、彼の生きざまを機会があればたくさんの人に見てほしいです。
あ、でも結構つらいので、無理しなくていいので。
よろしくお願いします。

アインよどうか安らかに・・・